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2018/02/23

「経済で読み解く明治維新」上念司

経済で読み解く明治維新  

 読みましたよ。『経済で読み解く明治維新』上念司。

 初版が2016年4月と書いてあるから、ちょっと前の本やねんけど、どうしても読みたかってん。いやあ、面白い!上念さんの本は読みやすいし、経済の事でもノリのええ文章やから頭に入りやすいです。辛口なところも本音ズバリで気持ちええんです。

 で、中味やけど、上念さん自身があとがきで書いてはるんですけど、タイトルに明治維新とあるのに書いてる中味はほとんどが江戸時代の話やと。「こんなにすごいぞ、江戸時代」でもよかったぐらいやと言うてはります。実は日本という国は、江戸時代にものすごい発展してて、恐らく世界で一番進んでたんやないか、ということです。たしかに当時の大阪には堂島米会所というのんがあって、それはウィキペディアによると「現代の基本的な先物市場の仕組みを備えた、世界初の整備された先物取引市場であった」そうや。

 ところが私らが歴史で習うたんは、江戸時代は鎖国をして世界から遅れてしまい、百姓一揆もたくさんあって、悲惨な時代やった、みたいなことでしたね。上念さんも言うてはります。白戸三平のマンガ「カムイ伝」がそのイメージを作るのに役立った、と。でもよう考えたら、悲惨な時代なはずやのに何で豪華な元禄文化が栄えたんや?一般庶民が全国からお伊勢参りもしてたんやろ?「東海道中膝栗毛」なんか、庶民の旅行ガイドやんか、と。デフレに悩む今の日本人よりよっぽど楽しみがいっぱいあって、幸福度は高かったんとちゃうか、と思えますね。

 まあでもこの本の中でも江戸時代を通じて経済はずっと良かったわけではなくて、災害があったりその時々の為政者である将軍、老中、勘定奉行たちによって、良くも悪くもなったことが書かれてます。今と変わらへんやんか。

 江戸幕府では国内各地に石高制のもとに藩が置かれ、各藩はかなり独立していて百姓からの年貢は米を現物で納めさせ、藩の武士は現物の米で給料(禄)をもろうてた、つまりは米が経済の基本やったそうです。ちなみに徳川家は最大で400万石で、日本全国では3000万石あったそうです。あ、石高とは米の収穫量のことですね。

 せやから江戸の幕藩体制というのは徳川家をトップにした連邦国家制みたいなもんやと。なるほど。でも国家的な大事業、江戸城やらその城下町、彦根城、篠山城、亀山城の築城とか、各地の河川の治水事業には「手伝普請(てつだいふしん)」という名で諸大名に金も人も出させたらしい。

 あとみんなが知っている「参勤交代」も、私らの思うてたんとちょっと違うようです。諸大名が反乱せえへんように妻子を江戸に人質において、かつ毎年行き来する費用で大名を疲弊させるためみたいに習うたんやけど、実際には諸大名が進んで申し出たんやそうです。

 いずれにしろこの制度のおかげで全国の道路網が整備され、お金が全国に落ちていくシステムになってたことは確かですね。江戸時代はよかったんやなあ。

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コメント

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幸福度で過去の時代に負けてる?

江戸時代は人口も増えていますね。江戸は世界でも有数の人口と環境配慮の行き届いた文化を持つ、機能性の高い大都市でした。
奴隷やキツイ差別が世界基準である中で、江戸時代は、稀有な町民文化が花開いていたということですね。

藩は、政治・行政・経済・治安ひっくるめた機能と責任を持つ大組織と言えます。
時代劇に出てくるような、呑気な道楽殿様や、ばか殿や、二言目には「狼藉者」とか叫んで刀を振り回す殿様なんかには、務まるはずがありません。
能力人事で執政しないと、藩政はガタガタ、農民は逃げるし、そんなことが続発して幕府に知れたら配置換えや廃藩でしょう。そうなる前に、バカ殿は降ろされ、きちがいお殿様は座敷牢ではなかったでしょうか。お家の大事です。

サヨクがいう、士農工商は固定的で差別的な階級社会だったなどという評価は的外れです。そんなのは、欧米やシナのことです。「自由」だったのは、盗賊や旅芸人とかです。サヨクは、それを日本に無理無理に当てはめていたんですね。

おっしゃるとおり、呑気で幸福度が高かったのは、日本の市民かも知れませんて。世界で一番「自由」を謳歌していた。
もちろん、同時にすごい働き者で高度な熟練労働者だったでしょうけど。
幕末の西洋人の旅行者は、茶店の若い女中さんが寸暇を惜しんで、本を熱心に読んでいるのを見て、仰天してたりします。

10代のころ、『カムイ伝』読みましたよ。長大で外伝もあったりして、全部読んだのかどうかさえ不明ですが(笑)
背景に、被差別部落と歪んだ支配層の、いかにもな構図がありまして、主人公が死んだ?と思ったら、とたんに離れ離れだったかの兄弟がいたり、人物群が複雑です。
この「時代性」が真の主人公なのでしょうかね。

このマンガは、日本の戦後の時代の空気なのか、なんだか読まないといけないような圧力を感じてました。はだしのゲンと双璧(笑)
作者は、何度かこれで終わりにしようと思ったんじゃなかろうか、と推測してしまいます。
とうていハッピーエンドは望めないお話しでした。

Re: 幸福度で過去の時代に負けてる?

コメントありがとうございます。

> 江戸時代は人口も増えていますね。江戸は世界でも有数の人口と環境配慮の行き届いた文化を持つ、機能性の高い大都市でした。
・・・そうそう、関東平野をバックにした高度な環境循環を実現していたそうですね。

> 幕末の西洋人の旅行者は、茶店の若い女中さんが寸暇を惜しんで、本を熱心に読んでいるのを見て、仰天してたりします。
・・・似たような話で、日本ではホームレスが新聞を拾って読んでるのに外人が驚いてたとか(笑)。