「四島プラスαこそ本筋だ」。へえ、正しいことだけを書いてたらええ気楽な商売やな。
2019年01月06日 公開
私らの年代の人は、家では普通に新聞を取ってると思います。でも今の若い人は、結婚して所帯を持っても固定電話は引かへんし、新聞も取らへんと聞きました。さもありなんですね。そらあ紙の新聞はどんどん減っていくのはもう止めようがないでしょうね。
私の実家はずっと朝日新聞でした。私が社会人になって、結婚して所帯を持ってからは日経新聞に変えました。人事欄と訃報には毎日目を通さなあかんねんで、と先輩社員に教わりました。転勤とかがあってもずっと日経やったんですが、安倍ちゃんが平成25（2013）年12月26日に靖国参拝したときに、日経を含め、産経以外の全紙がこれを非難しました。私はその報道に憤って、すぐに近所の販売所に電話をかけて産経に変えたのが、ついこないだのようやけど、ちょうど５年なんですね。
さてその産経新聞、他紙に比べて署名記事も多く、頑張っているとは思いますが、今日の記事にがっかりなことがあったので書きます。
＜日曜に書く 論説顧問 斎藤勉 「四島プラスα」こそ本筋だ＞という記事です。
ソ連のシベリア抑留の話から始め、いかにソ連が無法、暴虐かを書いてはります。そして、
＜スターリンは同時に、日本がポツダム宣言を受諾して武装解除した後、火事場泥棒的に一度も他国の領土になったことのない択捉、国後、色丹、歯舞の北方四島を不法占領した。＞
＜これが歴史の真実であり、わが国にとって戦後最初の国家主権・国益侵犯事件である。＞
だから、
＜「四島返還」という原状の復活を真っ向から要求するのが歴史的正義を貫く筋というものだ。＞
と書いてはります。そして斎藤さんは、安倍ちゃんが昨年11月にプーチンとの会談で「１９５６年の日ソ共同宣言を基礎にして平和条約交渉を加速させることで合意した」事を批判してはります。日ソ共同宣言の内容は、平和条約締結後に２島を日本側に引き渡す、という話、いわゆる「２島＋α」ですね。
斎藤さんは
＜本来は「四島プラスα」こそ本筋の要求だ。「α」とはシベリア抑留へのロシアの公文書での全面謝罪と抑留者への補償だ。＞と主張してはります。
私は前にも書きましたが、武力で奪われた北方領土は武力でしか返ってきやへんやろうなと思てます。せやから、この斎藤さんの書きぶりがものすごく無責任に思えます。ロシアが日本に「謝罪と補償」をすると、あんた、ホンマに思てるんか？
びっくりですね。言うてはることは正しいけど、それやったら千年経っても返ってきやへんで、それでもええんか？と。ちょっとだけ調べたら、この斎藤さん、産経の副社長で大阪代表、ソ連崩壊を世界に先駆けスクープしはったんやそうです。ソ連には詳しそう。この人がもし、どこかの記事で、日本は今すぐ核武装すべき、とか、防衛費は今より倍以上増やさなあかん、とか、ミサイルも持て、とか言うてはったら「四島プラスα」を言うてもええと思います。まさか、言うてはらへんやろなあ（笑）。
正しいけど実現可能性が限りなくゼロに近いことを堂々と言い続けるって、無責任やんか。私は、ソ連と平和条約なしに７０年以上もやってきてんから、もし今、「中国」の脅威が無ければ別に急がんでもええやん、と思います。せやけど今、安倍ちゃんは米中衝突に備えて、何としてでもプーチンのロシアを「中国」やのうて、日米側に寄せておく必要があることがわかってるからこそ、歩み寄りそうに見せてるわけやんか。まあ実際に歩み寄ってしまうかも知れんけどね。
あ、一応書いてはるからコピペしときますけどね。
＜世界覇権への野望をあらわにしている中国封じ込めを日露平和条約交渉「加速」の理由に挙げる向きも多い。たとえそうであれ、躍動的な地球儀俯瞰（ふかん）外交で国際的な存在感を増してきた安倍政権が自ら国家主権と国益を毀損（きそん）し、千載に禍根を残すような拙速な決着に動き出したのだとしたら、残念至極である。＞
一応わかってはるみたいやな。そしたらこの文章は単なる感想文なんか？それでも「四島プラスαこそ本筋だ」て言い続けるって、何やねん？あんた、誰かに頼まれて書いてるんか？と言いたいですね。
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